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響け!ユーフォニアム 2期11話

 大吉山のシーンで、ああおれもここに来てたなって考えると、こんなにも現実味がある登場人物たち(リアリティというかリアリズムというわけではなく、道理にかなっているという意味だと思う、たぶん)がいて、どう考えても下界に存在していて今もどこかで呼吸していると感じる人物たち(正確には彼ら彼女らそのものは存在していなくても、ほとんど同じといえる人物が世界中にいるということ)と同じ地を踏みしめて、モブでもなんでもいいので彼らと同じ時間を共有していた、それだけで涙が出てくる。いるだけでいい。ハンターハンターで王直属護衛軍が「王。」のシーンで激情に打ち震えていたように。なんだろう。おれがアニメの世界に擬似的に同期させられることでその存在を確信をもって言えることがその大きな要因であるように思う。確信の信ぴょう性はゼロだけど、自信っていうのはその人にもともと備わっているだけのようなものだと思うし。

 滝先生は奥さんとのことを誰彼構わず話すべきでないということは誰よりも徹底していて、それがレイナという出力先を見つけて、彼女の「自分のためかな」的な性格と相まって、わかるひとだけにわかるかのような決意表明としてあらわれている。そして「金賞とりたい」のところで雲がはれて光がさす。その上品なやりとりが本当に素晴らしい。話は変わるが、かといってみぞれが当時のみぞれにとってはどうでもよかったはずの人物である久美子(もしかすると久美子特有の「なんかひっかかる」はみぞれにとってもそうだったのかもしれないけどその描写はない)になんでもかんでもベラベラ喋ってしまうっていうのは少し違ってくる(2話でリズムゲームしてるみぞれは「わからない」と答えているし)。彼女の場合タイミングが最悪で、ほんとこちら側の配慮が足りないがゆえに、彼女の内部での崩壊にきがつけていないだけなのだと思う。みぞれの心の中ではほとんどSFといっていいくらいに感情のバロメータが振り切れ自制のきかない状態となっていて、それをスローした先がたまたま久美子であっただけかもしれない。どちらにしても彼女にはもうのぞみしか見えていない。かと思いきや、久美子にグーパン(?)したりするそのあざとさが、彼女の自覚できていないくらいのあざとさで、いや、それだとあざといとは言えないか……あまり擁護しすぎるのもアレだが、いや、ここで擁護という語が出てきている時点でアレだと思ってはいるものの……。結局彼女にはのぞみというかけがえのない存在がいるので幸せは保証されている。それでいいじゃないですか。無粋なこというとのぞみぞれ直属護衛軍が黙っていませんよ……。